―脱炭素化やエネルギー効率化への動きが加速しています。
エネルギー業界は燃料価格が高止まりしています。さらに、少子高齢化で世帯数が減少する厳しい状況ですが、当社のLPガス販売数量は新型コロナウイルス禍以降、緩やかに回復しています。ガスの製造・販売にとどまらず、エネルギー・マネジメントを通した省エネ促進や器具のリースなど、総合エネルギー企業を目指して事業の厚みを増していることがお客さまの安心感につながり、当社を選んでいただける理由になっていると思います。

―CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)推進室の設置から2年がたちます。
ベンチャー企業との共創による独創的な技術やサービスの開発を目指して設立しました。これまで700社以上のベンチャー企業をリサーチし、そこから協業の可能性が高いと判断できた110社と面談。3社に出資しています。


―進展と今後の展望は。
電力センサーメーカーとの協業では、機器ごとの消費電力量を可視化して効率化をコンサルティングするサービスを始められる段階になりつつあります。また、小型浄水装置を開発するスタートアップ企業とも資本提携を結びました。生活用水の確保の手段をLPガスのように世帯単位で設置する「小規模分散型インフラ」とすることを中長期的な目標に実証を続けています。

2025年度はVCファンドに参加して情報網を広げ、エネルギー事業の成長や地域活性化に資するベンチャーに投資します。

―25年度のグループ標語を「矜持(きょうじ) 得意を、自信と誇りに~Show Our Confidence~」とされました。
一人一人が得意なことを言語化して自信につなげ、より積極的に意思決定に参加してもらいたいと思います。また、チーム単位、会社単位でも強みを再確認し、会社のブランド化を進め、多くのステークホルダーへの認知を広げる1年にしていきます。
 

若い力であくなき挑戦と進歩を追う個性豊かな人材集団であってほしい。どんどんアイデアを出 し、新しいチャレンジができる人材を求めています。

並河 元=エジプトカイロ生まれ、島根県育ち。2020年に現職に就任。 松江北高校を卒業し、東京理科大学へ入学。その後、アビームコンサルティング株式会社を経て 2013年に帰郷。 趣味:コミュニケーション