3月中旬の平日、松江市中心部で観光人力車「まつ笑(え)」を運行する吉川司さん(40)と妻の佳奈美さん(40)が、広島県から観光で訪れた2人をJR松江駅(松江市朝日町)から松江城(同市殿町)まで案内した。
【関連記事】
・(中)景観行政 建設規制、明確な指針を
・(下)JR駅前整備 デザイン案実現見通せず
吉川さん夫婦は現在、市中心部で人力車を運行する。2024年は3~12月の間に約280組が利用。60代以上の高齢層を中心に、町歩きを兼ねた移動手段としての需要があるという。実際、広島県から訪れた2人のうち70代の母親は足が悪く、長距離を歩いて巡るのが難しかった。
運行開始から2年。松江城のほか、武家屋敷や八重垣神社など市内に魅力的な観光資源が点在し、司さんは「町並みを巡りたいというニーズに応えられるように走り続ける」と力を込める一方、観光地間の距離が遠く、二次交通も乏しい課題を実感する。
▼協会の新財源に
市が観光振興の課題解決の切り札として...