悔しさが残った。33年ぶりに出場した選抜高校野球大会。「日本一」を目標に掲げた米子松蔭は、花巻東(岩手)に2-10で敗れて初戦で姿を消した。鍛え抜いた「堅守」と「組織的な攻撃」は、なぜ機能しなかったのか。
敗戦から1週間。選手たちは、花巻東と健大高崎(群馬)の準々決勝をテレビ観戦した。
プレーボールを待つ間、監督の塩塚尚人は、かみしめるように「日本一を目指して進んでいく。一度(気持ちを)整理しよう」と話し「培ってきたスタイルを大事にして力以上の相手を倒していく」と語気を強めた。

■甲子園練習で感じた不安
「普段グラウンドでやっていることができなかったですね」
予兆は大会前の甲子園練習(3...