出雲市大社町北荒木、築100年の古民家カフェ・駕籠石庵(かごいしあん)で、和楽器奏者の上田福美さん(74)=米子市河岡=のライブがあり、訪れた約30人は表情豊かな尺八の音色に聞き入った。
上田さんは鳥取県警に勤務していた1990年に尺八と出合い、山陰両県で童謡や民謡、演歌の奏者・指導者として活動する。
「和の音(ね)を楽しんでほしい」と、6本の尺八を使い分け、顎を前後に動かして音程を自在に変えて感情を表した。童謡「月の沙漠(さばく)」では標準的な一尺八寸の楽器で愁いを帯びた調べを届けた。
演歌が大好きなアメリカ出身のバクスター・アラーナさん(41)=出雲市大社町北荒木=が飛び入り参加し、一緒に「津軽海峡冬景色」を歌った。アラーナさんは「日本の何百年もの歴史を感じ、伝統的な日本の音楽にもっと興味がわいた」と、喜んだ。
駕籠石庵では1年前から毎月、地域のアマチュアミュージシャンを招いたライブイベントを開く。曽田三智子代表(66)は「アットホームかつ身近に音楽が聴ける場をこれからもつくりたい」と話した。(今井菜月)