巫女(みこ)の歴史を概観しておこう。巫女には二系統があるとされてきた。

 一つは、宮廷や神社に所属し祭祀(さいし)をつかさどったり、神楽などの神事芸能を行ったり、男性神職の元で祭典を補佐したりする者たち。もう一つは、宮廷や神社を離れ、神懸(かみが)かりして死者の霊や神霊と交信し、口寄せ(託宣)などを行う民間の呪術的な祈祷...