儀式舞の一つである「四剣」を実演する市山神友会の会員たち=江津市桜江町市山、大元神楽伝承館
儀式舞の一つである「四剣」を実演する市山神友会の会員たち=江津市桜江町市山、大元神楽伝承館

 【江津】国指定重要無形民俗文化財「大元神楽」を継承する市山神友会(江津市桜江町市山)がこのほど、伝統の魅力を伝える講座を大元神楽伝承館(同)で開いた。石見神楽の原型とされ、500年以上の歴史を紡ぐ大元神楽について会員らがひもとき、代表演目を実演した。

 市山神友会の竹内修二会長は、6年に1度営まれる「式年祭」で、夜を徹して約30演目を舞う構成について解説。前半、中盤、後半いずれの冒頭部分でも4人が登場して舞う「儀式舞」は、神様を迎えるために場を清める意味があるとし、「神の徳を仰ぎ尊ぶ最高の表現」と説明した。

 儀式舞の一つ「四剣」の実演では、会員4人が剣と鈴を手に、山伏が呪術の力を取り込むため行ったとされる激しい舞を熱演した。

 竹内会長は、価値観が多様化した現代社会で神への畏敬の念は薄れつつあるとしながら、「神への祈りの気持ちを忘れず、大元神楽を大切に伝承したい」と力説した。  (福新大雄)