弥生時代の港湾集落・青谷上寺地遺跡(鳥取市青谷町青谷)や近隣の遺跡で出土した「籠」をテーマにした講演がこのほど、鳥取県立青谷かみじち史跡公園であった。米子市史跡整備推進室の浜田竜彦室長が弥生人の手仕事の巧みさや美意識を説いた。
浜田室長は今春まで県職員として青谷上寺地遺跡の調査、研究に携わった。
講演で部分によって編み方を使い分けた青谷上寺地遺跡の籠、素材5種類を使い分けた金沢坂津口遺跡(鳥取市金沢)の手箕(てみ)などを例示し、こうした工夫は「強度を高め、デザイン的な効果もある」と説明した。
青谷上寺地遺跡の籠に使われた素材マタタビは水に漬けて使っても傷みにくく、現代でも、鳥取県若桜町でトチの実のあく抜き用のざる「わたたのソーケ」はマタタビで編むと紹介。弥生人の知恵を示唆した。
史跡公園主催の市民向け講座。約40人が聞いた。(桝井映志)