保護猫を新たな飼い主への譲渡につなげるとともに、障害者就労支援の場にもなる「保護猫カフェ」が22日、松江市内に誕生する。障害者や認知症高齢者のグループホームを運営する企業が開設。殺処分ゼロに向けた飼い主探しの場にするとともに、障害者や認知症の人、地域にとって癒やしの場にしようと準備している。

 松江市下東川津町にオープンする保護猫カフェ「猫猫(にゃ~にゃ)の森」は、飼い主がおらず個人のボランティアに保護された15匹が出迎える。コーヒーなどを飲みながら触れることができるほか、飼育希望者は2週間一緒に自宅で過ごす「トライアル」期間を経るなど条件をクリアすれば飼育できる。

 猫たちは天井近くに取り付けられた通り道を駆け回ったり、窓際で日光浴したりして過ごす。

 以前わなにかかったとみられ、片方の後ろ足の一部がない猫もいる。運営する正心会プラスの岩田美佐子社長は、野良猫は交通事故などの危険や厳しい自然環境の中で生きているとし、「保護猫の新しい飼い主を見つける飼い主探しの場にし、殺処分ゼロに貢献したい」と意気込む。

 猫猫の森は就労継続支援B型事業所内に設け、障害者6人と職員が猫の世話や調理、接客業務に携わる。

 精神障害がある女性(51)は、動物が好きで猫と触れ合える環境に魅力を感じて働くことを決めたという。「猫たちがかわいくて癒やされる。障害があっても、飼い主を探す手伝いができると思うと自信につながる」とほほ笑む。

 同社が運営する認知症のグループホームの利用者にも定期的に来てもらい、アニマルセラピーのサービスとしても活用する。岩田社長は「障害の有無を問わず、癒やされる場所にしていきたい。保護猫活動に関心を寄せる機会にもしたい」と話した。

 22日にオープンし、営業時間は午前11時~午後5時(最終受け付け午後4時半)。水曜、年末年始定休。料金はドリンク代別で30分大人600円、中高生400円、4歳以上と小学生200円。4歳未満は利用不可。60分、90分のプランもある。

(小引久実)

 

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