日が沈んだ後の薄暗い海辺。どこからか太鼓の音が聞こえる。生気をみなぎらせた十数人の若者が集まり、男たちの力強い太鼓のリズムに合わせて女たちが軽やかなダンスを披露していた。カラフルな服をまとって踊る彼女らは皆、はち切れんばかりの笑顔だ。

 カリブ海に浮かぶ常夏の島グアドループ。パリから遠く離れているが、ここはフランスの領土だ。フランス語が通じ、通貨ユーロが流通する。何百年も続くグォカと呼ばれる太鼓とダンス、歌が一体となった音楽は、今もこの島で若い...