いまさらだが、このコラムのタイトルにある『タッチライン』とは、長方形であるサッカーのフィールドの、長い方の2本の線のこと。サッカー経験がないと『サイドライン』だと思っている人が多いのだが、先日ある番組で、ワールドカップでも活躍したサッカー元日本代表選手の解説者が「サイドライン」と言っていて驚いた。
ただ調べてみると、同じように長方形のエリアで行われるスポーツでは、長い方の2本の線を『サイドライン』と呼ぶ競技が多いようだ。そのうちの一つがソフトテニス。かつては軟式庭球(軟式テニス)と呼ばれていた日本発祥のスポーツで、島根県出身の錦織圭などがプレーするテニス(硬式)とは違い、軟らかいゴム製のボールを使用するほか、競技規則も異なる。
そんなソフトテニスに取り組む選手たちの晴れ舞台の一つがインターハイ(全国高校総体)だ。競技生活すべてを通じても最高と言っていいほどで、全国の高校生がプレーすることを夢見ている。今回のコラムは番外編『サイドラインの向こう側』として、その予選となる島根県高校総体でインターハイ出場を目指した女子のペアを取り上げる。
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松江南の行田理佐子・野尻りむペアは、ソフトテニスで『大将』と呼ばれるチームのエース。県総体は個人戦(ソフトテニスでは一般的にダブルスを指す)と団体戦(ダブルス3ペアが対戦し、2ペアが勝ったチームが勝者)で争われ、まず2人は6月7日の団体戦の前に、5日と6日の個人戦で、6ペアに与えられるインターハイ出場権獲得を目指した。
行田は小学1年のとき、...