小泉八雲と妻のセツについて解説する宍道正年さん=松江市西川津町、JAしまねくにびき地区本部営農総合センター
小泉八雲と妻のセツについて解説する宍道正年さん=松江市西川津町、JAしまねくにびき地区本部営農総合センター

 秋に放送が始まるNHKの連続テレビ小説「ばけばけ」を前に、小泉八雲と妻のセツをテーマにした講話がこのほど、松江市西川津町であり、元島根県古代文化センター長で山陰中央新報社文化センターの講師、宍道正年さん(77)=松江市西津田10丁目=が、二人の生い立ちや出会いを解説した。

 講話はJAしまねくにびき女性部を対象に2日間あり、計75人が聞いた。宍道さんは八雲とセツの共通点として少年期・青年期の苦労や離婚歴があることなどを挙げ、似た境遇が二人を引き合わせたと紹介した。

 また、語り部としてのセツの才能に触れ、セツの存在が八雲の創作活動へ多大な影響をもたらしたことを指摘した。ヘルンという呼び名の由来が島根県知事の契約書の記入ミスであることなどエピソードも披露し受講生らを楽しませた。

 宍道さんは「作品だけでなく人となりも広く知ってもらいたい。ばけばけの前の予習となればうれしい」と話した。参加した松江市薦津町の福井順子さん(67)は「ヘルン旧居の前を通る機会は多いが、知らないことがたくさんあった。説明がわかりやすくて、楽しく聞けた」と笑顔だった。

(岩田理子)