セツがこの物語を語った時、「あなたは私の手伝い出来る仁(ひと)です」と、八雲は大いに喜び、その後、セツのリテラリー・アシスタントとしての重要度がしだいに高まっていきます。この物語は、二人の新婚旅行の見聞記といえる「日本海に沿って」(『知られぬ日本の面影』所収)に折り込まれています。

 浜村温泉...