若年性認知症で行方が分からなくなっている荒川泰子さん(61)の夫・勉さん(66)=米子市祇園町2丁目=が設立した当事者団体「認知症行方不明者家族山陰の会」が4日夜、初めての意見交換会をオンラインで開いた。認知症の家族を持つ人を対象にアンケートを実施することを決め、内容について出席者で話し合った。アンケート結果は今後、国などへの要望活動に生かす。
会では先進地域として、沖縄県で活動する家族の会の安慶名達也代表が取り組みを発表。当事者を捜索する活動を通し、「当事者は茂みやごみ置き場など、入りやすくて見えにくい場所にいる可能性が高い」と強調した。その上で行方不明事案を防ぐ方策として、家族だけでなく、行政や警察、地域住民が連携して当事者を見守ることが重要だと説いた。
その後、認知症の人と家族の会鳥取県支部の吉野立代表が、山陰の会として実施するアンケートで、当事者家族が必要だと思う支援や、外出で困っていることなどについて質問すると説明した。
参加者からは「現在の支援態勢の中で足りないことは何かを質問してはどうか」などと意見が出たほか、会の活動方針について、「認知症になっても希望を持って生きていけることを伝えるような取り組みをすべきだ」という声も上がった。
アンケートはインターネットを含めて全国を対象に実施したい考えで、勉さんは「いろいろな意見をもらって勉強になった。まずはアンケートの質問項目の質を高め、会としての活動を進めたい」と話した。
意見交換会には鳥取県内をはじめ、全国各地の認知症の人と家族の会都県支部の会員ら約20人が参加した。
山陰の会の問い合わせは荒川さん、電話090(6717)9372。電子メールnys.p0808@gmail.com
(松本ひろ)