背を向けて太鼓を打つ「切部」を演じる東郷今津神楽の団員=島根県隠岐の島町港町、隠岐プラザホテル
背を向けて太鼓を打つ「切部」を演じる東郷今津神楽の団員=島根県隠岐の島町港町、隠岐プラザホテル

 隠岐に伝わる伝統の舞が一堂に会する「隠岐 神々の祝宴」が5日夜、島根県隠岐の島町港町の隠岐プラザホテルであった。国指定重要無形民俗文化財「隠岐国分寺蓮華会舞(れんげえまい)」や神楽、隠岐民謡が繰り広げられ、地元や観光客を楽しませた。

 同ホテルが改装1周年を記念して開催した。蓮華会舞保存会によると同ホテルでの出張公演は1971年の開業時と77年に続き3回目。鮮やかな衣装に勇壮なジャンプが特徴の「龍王之舞」と、2人が合わせ鏡のように息を合わせて優麗に舞う「仏之舞」の2演目を特設舞台で披露した。

 続く東郷高倉会、今津神楽保存会の合同公演では鬼が太鼓をたたく「切部」を披露。太鼓に背中を向けながらのばちさばきは来場者の視線を引きつけた。

 とりは中村民謡研究会による隠岐しげさ節、磯節、しょうじろう節。地方(じかた)、唄、踊りいずれもが精練されており、終演後には大きな拍手が送られた。

 公演は地元客15人、宿泊客30人が集まった。近くに住む医師半田洋治さん(78)は「隠岐の育ちだが蓮華会舞は見たことがなかった。実物はいいものだ」と喜んだ。(鎌田剛)