ワサビ田を整備する益田養護学校の生徒たち=益田市匹見町紙祖
ワサビ田を整備する益田養護学校の生徒たち=益田市匹見町紙祖

 益田市匹見町紙祖の石積みのワサビ田を再生しようと、益田養護学校高等部(益田市横田町)の2年生5人が7日、荒れた田の整備に取り組んだ。先人の苦労に思いをはせ、自然の恵みを感じながら苗を植え付けた。

 石積みのワサビ田は谷筋に沿って約500メートルにわたり階段状に続く。明治初期から造られ、水害で崩壊するたびに復旧してきたが、近年は高齢化や担い手不足で放置されたままの田が増え、荒れていた。

 匹見下地区地域魅力化応援隊員の寺西泰一さん(60)が伝統のワサビ田を後世に残したいと、所有者から一部を借り、昨年から益田養護学校と連携して再生に取り組む。

 先輩から引き継いだ2年生は寺西さんと一緒に、幅約5メートルのワサビ田に生い茂った草を抜き、石に付着したコケをそぎ落とした。協力するワサビ農家の安藤達夫さん(62)の指導を受け、くわを使い水の流れをつくる溝を掘り、整備した約20平方メートルの一画に約30本の苗を植えた。約2年かけて根茎が15~20センチに成長し、収穫できるという。

 田村花央(はな)さん(17)は「こんなに自然豊かな場所で栽培され、作業が地道で大変なことも知ることができた。収穫して家族で食べたい」と話した。

(吉田雅史)