島根県隠岐の島町内でナゴランが開花し、甘い香りを漂わせている。沖縄や九州に多いが、自生の北限地として、今年も美しい花を数多く咲かせた。
ナゴランは常緑広葉樹やモミ、クロマツの幹に根を張る多年草で、地上から5メートル以上の高い部分に付く。多様な植物が育つ隠岐特有の気候もあり、山陰両県では隠岐の島町内だけに自生する。
同町小路の中本憲昭さん(78)宅のギンモクセイに付着したナゴランの株は今月に入って開花を始めた。10日午前には満開の状態になり、例年は数日以内に花が終わるという。
独特の甘い香りが漂い、小さな虫が引き寄せられる。中本さんは「五箇地区の重栖川上流にも自生地があり、場所によって咲く時期が異なる」と話した。(鎌田剛)