ホスピタルパーク構想を示した鳥取大医学部付属病院=米子市西町
ホスピタルパーク構想を示した鳥取大医学部付属病院=米子市西町

 2029年に建て替え工事が始まる鳥取大医学部付属病院(米子市西町)の基本構想がまとまった。隣接する湊山公園の敷地の一部提供を所有する市から受けて、自然環境を取り入れ患者や市民が憩える「ホスピタルパーク」を目指す。

 デジタル技術を活用した医療設備の充実のほか、中海や国立公園・大山などを病室から眺められ、病気を治そうとする意欲の向上につながる構造にする。

 さらに、敷地内にシアターやレストランを設けて一般市民も気軽に立ち寄ることができる施設にする。

 このほか、大規模災害発生時の避難所や医療の拠点施設として機能強化も図る考え。

 今後のスケジュールは25年度中に構想を具体化した基本計画を策定。26年度に米子市と湊山公園敷地の売買契約を結んだ上で、基本設計をまとめる。

 同病院は直近で1987年から94年にかけて再整備した後も、増築を繰り返して敷地が手狭で、一部が土砂災害特別警戒区域内に入っていることから抜本的な改築計画の策定に乗り出した。武中篤病院長は「市民や患者にとって平時から頼ることができ、心の安心にもつながる病院をつくっていきたい」と話している。

(中島諒)