島根県内の福祉施設や宿泊療養施設に入所する新型コロナウイルス患者の健康観察が必要となる場合、県環境保健公社とJA島根厚生連が、胸部検診車両を派遣することが決まった。軽症者の異変を早期に発見するためで、クラスター(感染者集団)が発生した際などを想定。このほど、2団体と県が協定を結んだ。

 協定によると、県の要請に応じ、2団体が所有するエックス線検診車やコンピューター断層撮影(CT)検診車を派遣。施設で健康観察をする濃厚接触者や軽症患者を検診し、軽症から中等症に悪化する目安とされる肺炎の症状を早期に発見することで、重症化を防ぐ。

 県庁で丸山達也知事と協定書を交わした公社の吉川敏彦理事長は「拡大防止にもつながる協定で、県と一緒になってしっかりと取り組んでいきたい」と述べ、厚生連の石川寿樹会長は「地域貢献の一環として、少しでもコロナ対策の力になりたい」と話した。

 公社はエックス線検診車を10台、厚生連はエックス線検診車2台とCT検診車1台を持つ。(佐々木一全)