出雲市佐田町反辺のスサノオホールで、市内に残る戦争遺跡10カ所を写真と解説パネルで紹介する企画展が開かれ、戦後80年を迎え、来場者の関心を集めている。17日まで。
展示では、出雲市大社町や十六島町などの島根半島山中に4カ所ある、半地下式穴の「聴音壕(ちょうおんごう)」を紹介。地域の住民が交代で中に入って24時間監視し、敵機の種類や数などをエンジン音で聞き分けていたという。
旧海軍大社基地(出雲市斐川町)の撤去前の滑走路跡や、旧東村国民学校から鹿苑寺(同市鹿園寺町)に移設され現存する、教育勅語などを納めた「奉安殿(ほうあんでん)」などの写真19点が展示されている。戦争や遺跡に関して子どもたちの質問に答える解説パネルもある。
展示はNPO法人スサノオの風と出雲市が主催し、戦後史会議・松江の若槻真治世話人代表と、写真家の高嶋敏展さん(52)=出雲市斐川町沖洲=の協力で開催した。
高嶋さんは「身近な場所にも戦争があったということを知ってもらいたい」と来場を呼びかけた。
入場無料。午前9時~午後5時。12日休館。
(黒沢悠太)