物語について語る(左から)堀越千歳さん、竹元恵美子さん、白井朝香さん=浜田市下府町、hamairo
物語について語る(左から)堀越千歳さん、竹元恵美子さん、白井朝香さん=浜田市下府町、hamairo

 被爆経験のある女性の生涯を描いた物語の朗読イベントが15日、浜田市内であり、来場者約30人がフランスの楽器「シター」の音色に合わせて読み上げられる話を通して、平和の尊さを再認識した。

 物語は、浜田市出身の堀越千歳さん(66)=兵庫県西宮市在住=が執筆。堀越さんは被爆2世の夫の転勤に伴い、広島市で17年間過ごした。広島で被爆し家族や仲間を亡くした主人公・陽子を中心とした物語で、堀越さんの知人の竹元恵美子さん(広島市在住)が朗読し、国内屈指のシター奏者の白井朝香さん(同)が場面に応じた演奏を披露した。

 来場者は旧約聖書にも登場するシターの音色と、情感たっぷりの朗読が織りなす独特の世界観に浸った。浜田市熱田町から訪れた会社経営の青木比呂志さん(68)は、「核兵器の悲惨さを後世に伝えていかないといけないという思いを強くした」と話した。

 (三浦純一)