テレビ画面を見ながら、好プレーのたびに拍手を送る生徒たち=江津市渡津町、石見智翠館高校
テレビ画面を見ながら、好プレーのたびに拍手を送る生徒たち=江津市渡津町、石見智翠館高校

 第103回全国高校野球選手権大会で石見智翠館が準々決勝に臨んだ26日、学校(江津市渡津町)では生徒約40人がテレビ観戦し、ベスト4を懸けて智弁和歌山と戦う選手を見守った。春夏合わせて3度の優勝を誇る強豪の壁は厚かったものの、最終回まで死力を尽くし1点をもぎ取った選手の粘りをたたえた。(福新大雄)

 試合は、強力打線を擁する智弁和歌山に初回、先制され、七回までに長短15安打で9点を奪われた。教室の大型テレビの前に陣取った生徒は、猛攻を耐え忍ぶ選手を見守りながら、自チームの好プレーのたびに拍手を送った。

 相手投手の速球に押されなかなか得点できなかったものの、九回に死球や盗塁で2死二塁とし、山崎琢磨選手の適時打で1点を返す意地を見せた。

 山崎選手とクラスが同じという3年の藤井憂さん(18)は「クラスのムードメーカー役の山崎が最後に盛り上げてくれた。この試合で終わりではない。みんなが、この経験を大学などでの活躍につなげてほしい」と激励した。

 岡崎豊年副校長は、3回戦の日大山形戦でサヨナラ勝ちし、18年ぶりのベスト8進出を決めた瞬間を振り返りながら「甲子園で選手たちが成長しているのを実感した。堂々と胸を張って地元に帰ってきてほしい」と力を込めた。