地域医療の課題解決の糸口を話す高校生たち=江津市江津町、パレットごうつ
地域医療の課題解決の糸口を話す高校生たち=江津市江津町、パレットごうつ

 【江津】江津市の地域医療と人材不足の現状を学ぼうと、市内を訪れた通信制高校3校の生徒らがこのほど、活動報告会を開いた。医療従事者や住民からの聞き取りを基に、課題解決の糸口を披露した。

 NPO法人てごねっと石見と島根大学、N高校(沖縄県)、S高校(茨城県)、R高校(群馬県)が初めて実施。主に医療系職種を目指す生徒に現場を学ぶ機会として準備した。

 生徒らは中核病院の済生会江津総合病院の医師や看護師らと面談し、福祉施設のケアマネジャー、保健師の資格を持つ行政職員、住民らにも聞き取りをした。

 医療資源が限られた地域の在り方を探ったグループは、住民の健康を守るには医療だけでなく福祉や行政との連携が必要と指摘。他職種と連携する機運が高く、課題解決の可能性があると報告した。

 住民の医療への思いを調べたグループは、済生会江津総合病院を守る住民意識が強く、医療従事者になって将来、関わりたいとの意欲を見せた。

 医師志望のR高校1年、黒田英知さん(16)=富山県=は「地域医療の厳しい現実を見た一方で、地域住民の愛情を深く感じた。将来、一度は赴任したいと感じ、思い出になった」と話した。 (村上栄太郎)