短歌 宮里勝子選
じわじわと海辺の家並赤く映え水平線におぼれる夕陽 出 雲 樋野 喜子
【評】結句の捉え方がユニーク。常に見る情景を作者の眼を通してみるとこうなる。 おぼれると捉えた比喩がなるほどと納得させられ、夕日に焦点が絞られています。
免許証返納したと同級生ハンドル握る手しばし見つめる 出 雲 増田のぼる
【評】高齢者になるとハンドルをいつまで握るかが切実な問題となる。すでに返納し た同級生の気持ちがしみじみと伝わり、言葉ではなく見つめる友の眼が訴えている。
小波の立ちし植田に山並みの映...