白いしっくいの壁を、ペンキやスプレーで描かれたグラフィティ(落書き)が埋め尽くす。街並みが異彩を放つアテネ中心部エクサルヒア。両脇に小さな個人商店やオフィス、住宅が立ち並ぶ坂道を上ると、青々と茂る葉が戸口を覆う古びたマンションが目に入った。

 イズミニ・マシウダキ(34)は、その一室に住んで8年になる。「憧れた通りの活気ある暮らしだった」。文化人や芸術家が多く暮らし、アナキストらのデモや集会も頻繁にある。刺激的な街への愛着や、近隣住民との親交が日増しに...