近年の豪雨災害について説明する天達武史さん=松江市殿町、島根県民会館
近年の豪雨災害について説明する天達武史さん=松江市殿町、島根県民会館

 お天気キャスターとして活躍する気象予報士の天達武史さん(50)が27日、松江市殿町の島根県民会館で講演し、近年の豪雨災害と備えについて解説した。地球温暖化により島根は亜熱帯気候になっているとして、「気象災害の前兆を五感で捉えることが重要だ」と呼びかけた。

 地球温暖化により、近年の梅雨はしとしと降る雨から、大雨と猛暑の繰り返しに変化していると指摘。湿度が上がり、「島根は亜熱帯気候になっている」と話し、猛暑が続くほど雨に備える必要があるとした。

 温暖化が進むと水蒸気が発生しやすく、強い雨や台風が増えると解説。真っ黒な雲が広がり、冷たい風が吹くと、ゲリラ豪雨のサインだと明かした。土砂崩れの前は生臭いにおいがしたり、木の根がちぎれるギシギシとした音が聞こえたりするとして、「気象災害には前兆がある。五感で情報を得ることができれば助かる」と強調した。

 阪神・淡路大震災から今年で30年がたったことに関連し、地震への備えも紹介。持病の薬や入れ歯など、人から借りられないものは必ず用意しておく必要があるとし、停電に備えて小型のライトを常に持ち歩くことも勧めた。

 講演は「しまね県民福祉大会」の一環で開かれ、島根県社会福祉協議会などが主催した。

(小引久実)