鳥取市国府町発祥の伝統芸能「因幡の傘踊り」の祭典が27日、同市国府町町屋の因幡万葉歴史館であった。大正期に鳥取県から伝わった北海道の傘踊り保存会が出演し、本家とひと味違う演技が目を引いた。
因幡の傘踊りは、雨乞い伝説を基に明治期に国府町住民が剣舞の動きを取り入れて考案した。軽やかにアレンジされたしゃんしゃん祭りの傘踊りとは違い、長柄の傘を操り、動作が大きく、足を踏み鳴らして勇壮に踊る。
出演した北海道美唄(びばい)市の峰延東(みねのぶひがし)傘踊り保存会の演技は、主に男性が担う鳥取と違って女性が担い、両手を背に回して後ろ手で傘を操る所作がある。女性4人がりんとした演技を見せた。
このほか鳥取県東部各地の保存会など13団体が出演。初出演の公立鳥取環境大学生グループ「美歎(みたに)の風」は地元の保存会に習って磨いた腕前を見せ、会場を沸かせた。国府町因幡の傘踊り保存会の沢田勝会長(76)は「若い人に取り組んでもらえるのは、ありがたい」と目を細めた。
(桝井映志)













