第七章・家を継ぐ者(15)

 

「貴殿の先着が大事とは、どういう意味でござろうか」

 声をかけられた三河譜代の大名が、聞き捨てならぬと片膝立ちになった。

「皆様もご存じのように、当家は利家、利長の二...