不登校の当事者を長年取材するNPO法人「全国不登校新聞社」は、夏休み明けの時期に多い傾向がある児童生徒の自殺を防ぐため、「学校に行きたくない」との子どもの訴えに耳を傾けるよう保護者らに求めた。悩みを抱える子には「学校に行けなくても、その先の人生はある」と呼び掛けた。

 厚生労働省によると、2020年の小中高校生の自殺は過去最多の499人で、新型コロナウイルス感染拡大による環境変化が増加の一因とされる。21年1~6月の暫定値も前年同時期より31人多い234人となっている。

 記者会見した石井志昂編集長は「新型コロナの出口が見えず、子どももストレスがたまっている」と指摘。周囲の大人が子どもの言動に丁寧に接し、「言葉に出して心配していることを伝える」ことが必要だとした。

 自らの不登校経験を振り返り、「フリースクールの存在を知ったことが生きるきっかけになった」と安心できる居場所の重要性を強調した。

 

<主な相談窓口>

 文部科学省と厚労省が紹介する主な相談窓口は次の通り。両省のホームページでは会員制交流サイト(SNS)での相談窓口とQRコードも表示している。

 ▽24時間子供SOSダイヤル(0120)078310▽チャイルドライン(0120)997777(午後4時~午後9時)▽こころの健康相談統一ダイヤル(0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県で異なる)