大阪市に住む柴山恵里さん(58)=仮名=は2022年、新型コロナウイルスに感染した。それまでは会社員として普通に暮らしていたが、コロナ後遺症と背骨のゆがみなどで全身に激痛が走るように。どんどん悪化していき、車いすからほぼ寝たきりの生活になってしまった。身体障害者手帳は最重度の1級と認定され、国の障害年金を申請した。
ところが、支給対象の等級に満たないと判定され、「不支給」の通知が届いた。
「この状態で不支給って、なんで?」
理不尽に思えるが、記者が取材すると、障害年金の制度ではある意味、必然と言えることが分かった。背景には、制度の構造的な問題がある。(共同通信=市川亨)
▽コロナに感染「まさかこんなになるとは」
柴山さんは現在、ヘルパーが常駐する大阪市内のマンションで暮らす。以前...