第七章・家を継ぐ者(34) 

 

 河内街道の西側には、湿地や水田が広がっている。ここで待ち伏せされたなら、藤堂、井伊勢はさぞ苦戦しているだろうと気持ちは逸(はや)るが、前方を行く松平勢は...