きょう11月2日は、公益財団法人・日本習字教育財団が制定した「習字の日・書道の日」らしい。習字はさておき、書道にある「道」という文字に深い味わいを覚える。
日本人は「道」の文字に特別な意味を込めているように感じる。書道、茶道、華道、柔道、剣道…。単なるハウツーではなく、たしなむ人たちは、自らの生き方を作品や技に投影させていると思う。
日本にはさまざまな道があるが、言葉として定着していないのが銃の道、すなわち「銃道」だ。銃は1543年、ポルトガルの商人から伝えられ、日本の戦で使われた。勝手な想像だが、物自体が西洋伝来で、あまりに効果が圧倒的なため、日本では所持が禁止され、一般に作法などの「道」が成立する余地がなかったのではないか。
ここで「銃」を取り上げたのは、全国で発生しているクマによる人身被害を背景に、条件付きで市街地でも発砲できる「緊急銃猟」の在り方が問題になっているからだ。銃の扱いを知り尽くしている地域の猟友会の会員から「撃てない」とためらう声が上がっている。
クマを駆除して地域を守っても、流れ弾で万一事故が起これば刑事責任を問われる可能性もある。北海道では7年前、行政の依頼で駆除したものの「弾丸が建物に届く恐れがあった」として猟銃所持許可を取り消された事例があった。クマ被害を防ぐには、まずはハンターを守る道筋が必要だ。(万)













