一年納めの大相撲九州場所が9日に初日を迎える。開催地は福岡市。大阪場所や名古屋場所のように「福岡場所」と地名では呼ばず、あえて「九州場所」としているのには九州全体の相撲熱を高める狙いがあるそうだ。
かつて横綱琴桜(倉吉市出身)を輩出した山陰も相撲人気は根強い。だが、地元出身の三役力士は残念ながら、2023年1月に現役引退した島根県隠岐の島町出身の元関脇隠岐の海(現君ケ浜親方)以来現れていない。
その壁を破る逸材として“推したい”のが倉吉市出身の伯桜鵬だ。自己最高位の東前頭2枚目で迎えた9月の秋場所は、優勝した横綱大の里から金星を挙げ殊勲賞を獲得。「もっと大勝ちして優勝争いをしたい」と不満顔を見せたものの8勝7敗と勝ち越し、三役まであと一歩の東前頭筆頭に番付を上げた。
まだ22歳と若いが、看板力士としての自覚も出てきたようだ。先月の大相撲ロンドン公演では髪結い実演に臨み、関取の象徴である大銀杏(おおいちょう)を披露。「体が小さいのでパワーではなくスピードが武器。スピードをロンドンのみなさんに見てもらいたい」と現地のファンにアピールした。
きょう11月4日は「11(いい)04(おし)」の語呂合わせで「いい推しの日」らしい。伯桜鵬に限らず、最速で新関脇に昇進した21歳の安青錦や、草野から改名した義ノ富士ら有望株は多い。“推し力士”を見つけるのも、国技の妙味である。(健)






  






