「皆さん、証言を引き出してください。彼女に被爆時の惨状は語れない、お母さんのおなかにいたので。生まれた時から被爆者。生身の人間が原爆で傷つけられたら、どんな生活を続けることになっていくのか。胸に刻んでほしい」

 ▽原爆小頭症

 8月6日の昼下がり、広島市中心街のビルの一室で開かれた「被爆者証言のつどい」。医療ソーシャルワーカーの村上須賀子(むらかみ・すがこ)(80)が集まった10人ほどに語りかけた。

 被爆80年を迎えたこの日、広島は朝から30度超の猛暑。汗をぬぐう...