信じられない光景だった。山のように積み上げられたゴミ、くすぶり続ける煙、鼻を突く悪臭。子どもたちの遊び場所は狭い路地で、皆タバコを口にくわえている。「隣人」の惨状を目の当たりにして思わず尻込みした。
イスラエルに住むユダヤ人の理学療法士アン・アドモンさん(69)は2007年、イスラエルが占領する東エルサレムのパレスチナ人難民キャンプを初めて訪ねた。衛生状態は悪く、貧困や薬物の乱用がまん延していた。
キャンプの名前は、シュアファト。アンさんはこう振り返る。
「まるで『収容所』のようだった。イスラエル占領下で、生きる尊厳がないがしろにされている人々の苦難や怒りを...












