第八章・寛永の危機(23)

 

「幕府に忠義を尽くすのがお家安泰の道だと、多くの者が考える時勢ですが、それでは困るとおおせでございますか」

 政重(まさしげ)は利常の胸の内を承知した上で、さらに一...