新型コロナウイルス禍で子どもが感染したり、学校が臨時休校になったりして保護者が仕事を休まざるを得ない場合の国の助成制度が復活する。厚生労働省が7日、発表した。若年層への感染力も強い変異株「デルタ株」が流行する中、新学期が始まり、子どもへの感染拡大と保護者の休業増が懸念されるため。 (多賀芳文)

 再開するのは「小学校休業等対応助成金」。子どもの小学校や保育園、幼稚園などが休校・休園した保護者への支援が目的で、子どもの世話で特別有給休暇を取得させた企業に支給する。企業の同意があれば個人申請も可能とする。

 8月1日から12月末までに取得した休暇が対象で、保護者の休業中の賃金分として1日当たり最大1万5千円を支給する見通し。都道府県労働局に制度の相談窓口も設ける。

 厚労省によると、昨年度の補正予算の繰り越しなどを財源に見込む。雇用環境・均等局職業生活両立課の担当者は「現時点、雇用保険料などの増額には影響はない」と話す。

 制度は昨春の一斉休校を受けて創設されたが、今年3月末に終了していた。後継の「両立支援等助成金」は従業員1人につき一律5万円、1事業主10人までとするなど実質、後退し、保護者や労働団体から見直しを求める声が上がっていた。

 島根労働局の雇用環境・均等室の鎌田勝雇用環境改善・均等推進監理官は「島根県内でも新型コロナの関連で休校、休園している。労働者が安心して休めるよう、制度を活用してほしい」と話す。

 問い合わせは、厚労省のコールセンター、電話0120(60)3999。