鳥取砂丘近くの鳥取市浜坂に2022年3月、事業者や個人が利用できるワークプレイス施設がオープンする。砂丘を活用した先進的なビジネスに取り組む企業のシェアオフィスや、余暇と仕事を組み合わせたワーケーションでの利用を想定。都会地からの企業誘致につなげる狙いがある。 (岸本久瑠人)
市が6~7月に整備を行う事業者を公募。小型無人機ドローン講習などを手掛ける「スカイヤー」(鳥取県大山町加茂)が応じ、選ばれた。
場所は中心市街地から県道265号(旧国道9号)の砂丘トンネルを抜けてすぐの交差点辺り。JR鳥取駅(東品治町)まで車で10分程度と中心市街地にも近い。2500平方メートルの民有地を借り、2階建て延べ床面積約600平方メートルの施設を整備し、駐車場は20台分を確保する。
「SAND BOX TOTTORI(サンドボックストットリ)」と名付ける施設にはワークスペースやシャワー室、観光客も利用できるカフェを設ける。起業やベンチャー企業が求める人材の育成も行う。
10社程度の入居を想定し、ワーケーションで訪れた個人は有料で利用できる仕組みを整える。砂丘ではAR(拡張現実)技術を使った疑似月面探査体験イベントが行われるなど、宇宙産業の進出が期待される。入居募集は12月ごろに行う予定で、24年度末時点で10社、同年度中の利用者は延べ千人以上を目指す。
整備費は2億5千万円を見込み、市が国の地方創生テレワーク交付金を活用して9千万円を上限に補助する。
宇佐美孝太社長(30)は「鳥取でも新しいことに挑戦できるという機運を高め、未来に向けて前向きに鳥取の可能性を感じてほしい」と話した。