初の5万4000円台に乗せた日経平均株価を示すモニター=14日午前、東京都中央区
初の5万4000円台に乗せた日経平均株価を示すモニター=14日午前、東京都中央区

 先週前半はうなぎ上りに日本株が上がった。高市早苗首相の就任時に続く第2次の「高市トレード」と呼ばれる高騰。何も高市氏がトレード(株取引)しているわけではないが、「サナエノミクス」と呼ばれる積極財政への期待が買われた形だ。

 昨年来の急激な株価上昇には「そろそろ調整(株価の落ち着き)が入るのでは」との観測が広がった。今年になり「選挙の話が出ると株価は上がる」という株のジンクス通り、衆院解散方針が伝わると連日上昇。これだけ株式市況が良いと怖さが薄れる。

 ここ数年、国が奨励するNISA取引で株投資を始めた人は多い。国は子どもNISAにまで広げようとしている。倹約志向が強く自然災害などへの備えから「貯金好きな日本人」を投資に振り向かせて経済活性化を図る、という国の思惑は成功したようにみえる。

 企業の成長に期待し、株を長期に保有するのが株式投資の基本のはずだが、直近の株高で思わぬうまみを体験した人の中には「株ってこんなに簡単にもうかるの」と危ない感覚が広がってはいないか。

 不動産バブルもITバブルも、はじけた後に「あれはバブルだったね」と呼び名が付いた。そのただ中では根拠のない期待が警戒感を押し流し、投資のプロでも「いつはじけるか」は予測できなかった。国民が乗りかかった「貯金から投資へ」という大船をどこに導くのか。高市船長の手腕を見たい。(裕)