日本で自民党が圧勝した衆院選投開票日の2月8日、東南アジアのタイでも下院総選挙が実施されていた。「ほほえみの国」と呼ばれるほど人々の優しい笑顔が印象的なタイだが、当然ながら政治や外交の現場ではさまざまな思惑が巡っている。選挙戦では若者に人気でフレッシュなイメージを発信する改革派野党「国民党」と、王室を中心とした伝統的な国のあり方重視を打ち出す政権与党「タイの誇り党」が激突。事前の世論調査で優勢だったはずの改革派野党が敗れた。背景には昨年のカンボジアとの軍事衝突があるという。タイで今、なにが起きているのか―。(共同通信バンコク支局=伊藤元輝)
▽「誰が首相にふさわしいか」
「予想以上の結果だ」
2月8日、タイの首都バンコク。政権与党・タイの誇り党本部で開かれた記者会見で、アヌティン首相は満足げに語った。
「党の勝利ではない。国民の勝利だ」
高らかと勝利宣言。アヌティン政権継続の可能性が大きく高まった瞬間だった。
タイの総選挙は下院の500議席を争う。日本の衆院は465議席なので、似た規模の選挙と考えて良いだろう。全国の小選挙区と比例代表で選出するのも同じだ。...













