「石号」を紹介するため、河部真弓さんがまとめた資料の一部
「石号」を紹介するため、河部真弓さんがまとめた資料の一部

 先日、松江市内であった会合で市民団体「石州犬研究室」を主宰する河部真弓さん(68)=江津市桜江町=から声をかけられた。「以前は設立の経緯ばかりだったマスコミの取材が、最近は地域振興についての話題に変わってきたんですよ」。満面の笑みだった。

 研究室は、山陰地方にルーツを持つ山陰柴犬を飼い始め、柴犬に興味を持った河部さんが2017年に設立。石見地方の石州犬について記載した昭和30年代の文献を調べたのを機に、戦前に益田市美都町の猟師に飼われていた石州犬の雄「石号」が柴犬のルーツであることを突き止めた。

 東京でマーケティングプランナーとして活動した後、夫の実家がある江津市へIターンした河部さん。国の地域活性化伝道師を務めるなど石見の魅力発信に取り組んでおり「柴犬発祥の地」を生かした町おこしに奔走する。

 地元住民と協力し、美都町二川地区に「石号」の石像を設置したほか、ポロシャツなどグッズも製作。『石号ものがたり』という絵本まで作ってしまった。マスコミの注目が地域振興に移るのは当然だ。

 河部さんが山陰柴犬に関心を持ったのは15年秋。前年に愛犬を亡くして「号泣の日々を送っていた」ところ、夫から山陰柴犬を紹介する本紙の記事を見せられたのがきっかけだった。たった一本の記事から地域振興の種が生まれることもある。きょう4月6日は「新聞をヨ(4)ム(6)日」。(健)