「ピンとこなければいたずら電話だと思ってもらって構いません」
その電話が長野支局にかかってきたのは、1月下旬の土曜日だった。電話の主は、長野県上田市にある美術館「無言館」創設者で、共同館主の窪島誠一郎さん(84)。取材を要請する電話だった。
「ステージ4の末期がんに近い、かなり厳しい診断を受けた。ぼろぼろになりながらも立ち上がろうとしていると美談にされるのはごめんだが、ニュースを届けられないだろうか」
記者は、日中戦争・太平洋戦争の戦没画学生たちの絵を集めた無言館のことは知っていたが、まだ訪れたことはなかった。電話越しでも人を引きつけるような窪島さ...













