緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域
緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域

 政府は、19都道府県に発令している新型コロナウイルス緊急事態宣言について、期限とする30日での全面解除に向け調整に入った。全国的な感染状況の改善を踏まえた対応で、8県に適用中のまん延防止等重点措置も全て終了する方向で検討している。解除後も行動制限は求め、段階的に緩和する方針だ。菅義偉首相が27日に関係閣僚と協議して判断する。28日に対策本部会合を開いて正式決定する。複数の関係者が26日、明らかにした。

 田村憲久厚生労働相は26日のNHK番組で「非常に速いペースで数値が改善している。この状況でいけば、9月末での解除を含めて実現できる」と述べた。政府高官は「全面解除が可能だ」と見通しを示した。ただ、病床使用率が比較的高くとどまる地域もあり、政府は知事の意向などを参考に、一部の宣言対象都道府県を重点措置に移行させる選択肢も視野に入れている。

 全面解除されれば、宣言と重点措置が全国のどこにも出されていない状態は4月4日以来となる。田村氏は、解除後も行動規制策を講じ、行動制限緩和に関する実証実験の結果を見ながら段階的に緩める考えを示した。

 近く退任する首相は、次の政権の負担とならないよう自らの任期中の全面解除が望ましいとの立場だ。26日午後、米国、オーストラリア、インドとの4カ国首脳会合出席のため訪問していた米国から政府専用機で帰国。羽田空港から公邸に直行し、新型コロナの担当者らから全国の感染状況に関し報告を受けた。27日に田村氏や西村康稔経済再生担当相らと協議する予定だ。

 新型コロナの流行「第5波」は7月ごろから拡大が目立ち始めた。感染力の強いデルタ株の影響で、ピークの8月20日には1日当たりの新規感染者数が2万5867人に達した。その後は減少に転じ、1カ月余りで約10分の1に急減した。

 9月上旬に2223人まで増えた重症者数も最近は減少傾向が続き、26日に1133人となった。23日時点の重症病床使用率は、東京都の52%を除き、全ての宣言対象道府県で解除の新基準である50%未満になった。