鳥取県警が直近10年分の信号機のない横断歩道での交通事故を分析し、車のドライバーから見て「右から左」に横断中の歩行者の被害が「左から右」の横断時と比べ2倍近いことが分かった。フロントガラスと右窓の間にある窓柱が運転席からの視界を狭めるのが一因と推測。ドライバーと歩行者双方に注意を呼び掛ける。

 県警交通企画課によると、2011~20年に信号機のない横断歩道での人と車両の交通事故は118件発生し、負傷者は119人、死者は5人。歩行者の進行方向別では、右から左が65人(52・4%)で、左から右は31人(25%)だった。

 同課の畔田学次席は、窓柱の影響を挙げたほか、対向車が止まれば歩行者に気付く一方、対向車がいない場合は右側にいる歩行者への注意が欠けやすいのではないかと予想した。「運転手は横断歩道に近づいたら歩行者がいるかもしれないと思って減速を徹底し、歩行者は手を挙げるなどして横断の意思表示を心掛けてほしい」と話した。

 年代別の被害は、15歳以下が33人(26・6%)で最多で、発生時間は下校・帰宅時間帯の午後3~7時台が計63件(50・8%)を占めた。 (岸本久瑠人)