耐震工事が始まる出雲大社宇迦橋大鳥居=出雲市大社町杵築南
耐震工事が始まる出雲大社宇迦橋大鳥居=出雲市大社町杵築南

 出雲大社の門前町のシンボルで、100年以上前に建てられた大鳥居(出雲市大社町杵築南)の耐震補強工事が10月に始まる。既存の基礎を生かし、周囲にくいを打って強度を高める工法を採用。基礎部分の工事は1915年の建造以来初めてとなる。

 出雲大社に続く神門通りに立つ「出雲大社宇迦橋大鳥居」は、鉄筋コンクリート造で高さ23メートル、幅14メートル。柱の太さは1・8メートルあり、島根県邑南町出身の篤志家・故小林徳一郎氏が出雲大社に寄進した。2015年には国の登録有形文化財となった。

 耐震補強工事は、宇迦橋の架け替え事業に参画する中筋組(姫原町)が出雲大社から受注。22年3月末の完了を見込み、その後は島根県が柱部分の補強と塗装を行う。

 28日にあった安全祈願祭には工事関係者ら20人が出席。中筋豊通社長は「出雲大社の玄関口として来訪者を迎え、見送ってきた大鳥居がさらに100年は残るよう、安全第一で工事を進めたい」と話した。 (月森かな子)