総務省は9月28日、地域医療に貢献した2021年度の「自治体立優良病院」として、公立邑智病院(島根県邑南町)や公立羽咋病院(石川県羽咋市)など七つの公立病院を大臣表彰すると発表した。新型コロナウイルスの病床確保や、他の病院への医療支援といった活動が評価された。
邑智病院は、コロナ疑い患者と陽性患者用の病床をそれぞれ確保。高齢者施設からの相談に応じる体制づくりや、地元の医師を対象にした防護服の着脱研修も実施した。
運営する邑智郡公立病院組合管理者の石橋良治邑南町長は取材に対し、歴代院長などの医療関係者や医師派遣を行う島根大、県、住民の努力の結果だと強調。「率直にうれしい。今後も地域医療のとりでとして役割を果たす」と話した。
羽咋病院は、クラスター(感染者集団)が発生した県内の医療機関に災害派遣医療チーム(DMAT)を出して支援したほか、入院患者の受け入れにも貢献した。
残る5病院は一関市国民健康保険藤沢病院(岩手県一関市)、静岡県立こども病院(静岡市)、徳島県立中央病院(徳島市)、大分県立病院(大分市)、鹿児島県立姶良病院(鹿児島県姶良市)。
いずれも黒字経営を5年以上続けるなど経営が健全で、地域医療の確保に大きな役割を果たした。