「親ガチャ」という言葉が若者の間で広まっているそうだ。硬貨を入れ、レバーを回して取り出すカプセル式玩具「ガチャガチャ」のように自らが親を選ぶことはできず、どんな親のもとに生まれてくるのか〝運任せ〟で人生が決まってしまう、という意味で使われている▼確かに一理ある。昨年、頓挫した大学入試改革では、英語の民間試験会場が都市部に偏って地方の受験機会が限られる地域格差や、高額な受験料で困窮家庭の受験生が不利になる経済格差がやり玉に挙がった。山陰両県のような地方の中でも格差は存在する。親の収入が低いほど四年制大学への進学率が低くなるとのデータもある▼ただ、怖いのは「自分には運がなかった」と勝手に人生を諦めてしまう機運が広がること。「何をやっても変わらない」と言い訳ばかりして努力を怠っていては、よりよい人生を歩むことはできないだろう▼政治に対しても然(しか)り。「どの政党が政権を担っても大差ない」「政治に期待しても何も変わらない」と無関心でいては現状の改善なんて到底望めない▼衆院選が公示された。若者が嘆く格差社会をどう改善するのか。新型コロナウイルス対策で国債発行に頼る前のめりな財政出動をするのはいいが、子や孫の世代へ回されるツケをどう解消していくのか。候補者には、若者が政治に関心を抱き、将来に希望が持てる政策を語ってほしい。(健)