第49回衆院選は31日、投開票を迎える。新型コロナウイルス対策や格差是正を含む経済政策が争点。計465議席(小選挙区289、比例代表176)を現行制度下で最少の1051人が争い、与党候補と野党統一候補の対決が焦点となる。山陰両県では4小選挙区に立候補した10人が支持獲得を目指して、選挙戦最終盤の舌戦を展開している。即日開票され、31日深夜にも大勢が判明する見通しだ。(取材班)

〈島根1区〉
 事実上の与野党一騎打ちで、組織力で先行する自民党前職の細田博之候補を、野党共闘で臨む立憲民主党前職の亀井亜紀子候補が追い上げる。18日現在の選挙人名簿登録者数は26万8636人。

 亀井候補は公的サービスの維持や中国電力島根原発2号機の再稼働の是非を問う住民投票の実現などを主張。30日の最終演説は松江市朝日町の松江テルサ前で午後6時半から行う。

 細田候補は地方創生の実績を打ち出し、人口減少対策や島根2号機の早期再稼働の必要性などを強調。30日は午後6時半から松江市中原町の一畑電鉄本社前で最後のマイクを握る。

 無所属新人の亀井彰子候補は30日午後2時から松江市西津田6丁目のプラバホールで個人演説会を開く。

〈島根2区〉
 自民党新人の高見康裕候補が組織力を背景に先行する。ともに政権交代を訴える立憲民主党新人の山本誉候補と共産党新人の向瀬慎一候補が追い掛ける。18日現在の選挙人名簿登録者数は29万1977人。

 向瀬候補は新型コロナウイルス対策の充実や政権交代に向けた党の役割を説く。30日は大田、出雲両市を回り、午後7時半に出雲市今市町のパルメイト出雲近くで最後の訴えに臨む。

 山本候補は大企業や富裕層優先の自公政権の政策が格差社会を助長したと批判し、政権交代の必要性を主張。30日は午後7時に江津市江津町の市総合市民センター前で最終演説する。

 高見候補は「ふるさと創生」の政治信条を掲げ、東京一極集中の是正を強調。30日は出雲、雲南両市を巡り、午後5時に出雲市今市町のJAしまね出雲地区本部前で最後の訴えを行う。

〈鳥取1区〉
 強固な支持基盤と知名度を生かしてリードする自民党前職の石破茂候補に、共産党新人の岡田正和候補が挑む。18日現在の選挙人名簿登録者数は23万1182人。

 石破候補は党改革、地方創生、東京一極集中の是正を公約に掲げる。自派閥の前職議員の応援で全国を回った後、30日午後に鳥取市入りし、午後7時45分に戎町の事務所前で最後のマイクを握る。

 岡田候補は、新型コロナウイルスの感染爆発を招いたとして自公政権を批判し、医療体制の強化を主張。30日は地元の岩美町を出発し、午後7時から鳥取市若桜町の事務所前で最終演説する。

〈鳥取2区〉
 与野党一騎打ちの構図で、組織戦を展開する自民党前職の赤沢亮正候補を、立憲民主党元職の湯原俊二候補が追う。18日現在の選挙人名簿登録者数は23万4682人。

 赤沢候補は新型コロナウイルス担当や防災の内閣府副大臣を務め、事業者支援に取り組んだ実績などをアピール。30日は西伯郡の一部と日野郡、境港市を巡り、午後7時45分に米子市加茂町1丁目の事務所近くで演説を締めくくる。

 5度目の対決で、共産党の支援を初めて受ける湯原候補は安倍、菅政権の経済政策が格差拡大を招き、貧困を深刻化させたと批判。30日は米子市内を一巡し、午後7時45分に米原5丁目の事務所前で最後の訴えに臨む。

 

立候補者一覧(届け出順、敬称略、丸囲み数字は当選回数)

◆島根1区

亀井亜紀子56 党副幹事長  立民前(1)

細田 博之77 元官房長官  自民前(10)

亀井 彰子64 元中学教諭  無所属新

◆島根2区

向瀬 慎一50 党地区委員長 共産新

山本  誉64 元島根県議  立民新

高見 康裕41 元島根県議  自民新

◆鳥取1区

石破  茂64 元党幹事長  自民前(11)

岡田 正和39 党県常任委員 共産新

◆鳥取2区

赤沢 亮正60 元内閣副大臣 自民前(5)

湯原 俊二58 党県連副代表 立民元(1)