島根県奥出雲町社会福祉協議会に毎月、匿名で寄せられる寄付金を積み立てた「アコ基金」が50年の節目を迎え、善意をたたえる記念イベントが30日、町民体育館(三成)であった。社協が匿名の篤志家「アコさん」を表彰したほか、寄付金と一緒に届いた手紙を展示して長年の善意に光を当てた。
旧仁多町社協時代の1971年、「社会福祉の一助に」と一言添えた千円札1枚が届いたのが始まり。その後も毎月届ける人物に対し、社協が広報誌で名前を尋ねたところ「『アコ』としてください」と手紙が返ってきた。時間の経過とともに寄付額は増え続け、これまでの総額は341万5千円にのぼる。
イベントは、勝田康則町長ら関係者約100人が出席。社協の山本勝昭会長(79)が壇上で、姿の無いアコさんに対し「あなたの深い思いやりの真心は、敬慕するところ」と表彰状を読み上げた。
会場には、アコさんから届いた600通の封筒や、「社会福祉の一助に」と書かれた手紙などが展示され、多くの町民が今なお続く善意に触れた。
(清山遼太)