新型コロナウイルスの流行は日本では小康状態が続くが、国によって事情は異なる。経済活動が動き始めた国もあれば、いまだ感染者が増加傾向の国もある。こうした感染状況の差異が国際的な需要と供給のバランスを崩し、物流が滞るようになってきた▼東南アジアの工場が稼働せず、半導体の供給が需要に追い付かない。乗用車の納期が大幅に遅れ、新型のスマートフォンにも品薄感が広がる。コロナ禍の反動で米国や中国で需要が高まる木材は「ウッドショック」と呼ばれるほど価格が高騰する▼物流ではコンテナ船の需要が高まる中、米国や欧州では港湾の荷役と陸送で人手不足に陥り、目詰まりを起こす。混乱はさまざまな品目に広がる恐れがあり、「悪い物価上昇」に消費者は戸惑う▼新品を買わずに家計をやりくりするには、手持ちの製品を長持ちさせるか、中古品を買うことになるだろう。驚かされるのがメーカーの修理体制。白物家電は業界団体の規約があり、製造打ち切りから5~9年間は部品を保有する。パソコンやカメラといった精密機器は5~7年が主流。近年は製造打ち切りから新製品発売のサイクルが早く、気付けば修理不能になっている▼メーカーの買い替え需要を喚起したい意図が透けて見える。コロナ禍で新しいモノが循環しにくくなった今こそ、このサイクルを考え直してほしい。消費者はいい物を長く使いたい。(釜)