幅広い芸術分野で活躍した北大路魯山人(1883~1959年)の作品を常設展示する「魯山人館」の開館1周年記念展が1日、安来市古川町の足立美術館で始まった。陶芸、書画、漆芸などの名品計121点を披露し、美術ファンを楽しませている。6月30日まで。
魯山人は京都に生まれ、食器、花器、漆芸品などを手掛け、希代の美食家としても知られる。同美術館は魯山人作品約400点を所蔵し、昨年4月1日に敷地内に専用展示施設「魯山人館」をオープンした。
記念展には、赤地に金泥でブドウの実と葉を華やかに描いた最高峰作品の一つ「金らむ手津本(でつぼ)」や書の大作「いろは屏風(びょうぶ)」などの代表作を中心に展示。緩やかに湾曲した四角い器に鮮やかな緑釉(りょくゆう)を施した「於里遍(おりべ)長鉢」をはじめとした初公開の23点も並んでいる。
木佐布由実学芸員は「美と食を追求した魯山人の世界観をじっくりと楽しんでいただきたい」と話した。
会期中無休。有料。 (渡部豪)